おお振り2

おおきく振りかぶって (2) おおきく振りかぶって (2)
もちろん発売当日(8/23?)に買った。1巻と合わせてもう何度も読み返しました。なんだか。読むたび色々次々考えちゃう。因みにサイン会の当日券は狙いませんでした。・・・正直に言えば、寝坊した。くぅ。

2巻では西浦と三星の試合の終了までが描かれるわけですが。これが面白い。*1阿部&三橋バッテリーの本格始動ですよ。三橋はもう、阿部君100%になってはいるんですが、更にほんとにちょびっとづつ、阿部君に反射した自分、を認めていくんです。そしてそれがなんと心地いいことか、知っていく。一方阿部君は三星に対する嫉妬でいっぱい。それはもう、彼らしからぬミスを誘うほど。だって「欲しい」んだもん!若いんだ、しょうがないさ!うおー−!!


そして、ぐっとくる台詞が目白押しですよ!(抜粋/編集あり)
阿部「絶対手放したくない!三橋だってオレと組んだほうがいいハズなんだ!」
阿部「あいつにオレを認めさせてやる 元チームメイト達よりもオレを選ばせてやるぜ!!」
阿部「気持ちいいだろ!? オレといればいくらでも気持ちよさを味わわせてやるぞ 忘れるなよ」
阿部「オレが自分の欲であせったんだ お前がっ 未練タラタラなカオしてっから!」
阿部「戻らねェって ハッキリ言え! 言ってくれ・・・!」
阿部「こっちからの一方通行じゃないんだ オレはお前につくす 選んでよかったって必ず思わせるからな!」
    ・・・阿部ばっかだ。
花井「田島はそんだけの打者だぜ! 落ち込む必要も ない!」
畠「なんとしても1点入れてやりたい! なんとかできねェのか、オレ!」
阿部「オレをホームに帰らせてくれ!」どっちも頑張れ。
阿部「よし!コレで行けるぞ!ビビんなよ!」(これがあるからこそ)三橋「さっき三塁打打たれた人なのに 怖くないぞ」
 駄目だ、もう、・・・。 入れ込み過ぎてて全部イイ!


因みに2巻のマイ・ベスト ショットは、見開きカラー 「ホームラン」。です。
きっとこういう瞬間、投手は「あ」とか「っ」とか、感嘆詞しか 頭にないんだと思う。「打たれちゃった」とか「逆転された」とかの文字列はその後。その、ほんとの いち瞬間が鮮やかに切り取られている。見事です。私にとっては、甲子園でほんとにHR打たれた投手を見てるのと同じ程度の感慨があります。これって凄い。
2番目のベストショットは(英語ではあり得ない表現(苦笑))、「円陣に加わりてえのか?」と阿部に訊かれる前の三橋。なんと複雑な。一言では言い切れない気持ちが。憧れ、諦め、疎外感、寂しさ、卑屈さ・・・。この表情(感情)は、覚えがある。とてもリアルで身近なもの。でも漫画で見るのは初めてな気がします。


さてさて。三星チームが真っ当に真剣勝負を仕掛けてくる段になると、不思議なことに三星に対しても感情移入しているのに気付きます。畠くんがHRのあと、小さい声で「よっしゃ!」って言うんですが、この時、やった!って、わたしも、思ってる。 なんか、スポーツって、「勝ちたい」「勝たせたい」とは思うけど、「負けろ」「負ければいい」とは思えない。矛盾してますか。残念、してません。


おお振りには、技術的に・・とか、理論的に・・とかが、ツボ、な読者の方も多いみたいなんですが、私にはあれは「息抜き」になってます。もう、三橋やら阿部やら叶やら畠やらに入れ込んで読んでると、アップダウンが激しくて汗ばんで疲れてきます。そこで監督&顧問のセンセのレクチャーでニュートラルに。ふぅー。*2 週刊スピリッツでも技術面中心な高校野球漫画やってるわけですが、こちらはちっともはまれない。まあ、ニュートラル状態が続いてもね。野球が好き、というわけではない私の、そういうわけでした。


それで最後に。
私はこの作品に対して、いわゆる?腐女子萌えは全くしません。*3普通に悶えてはいますが。えーと、描かれている以上の関係を想像したりはしない、ということ。おお振りの場合、その理由が今回、分かった気がします。なぜなら、そこに まごうかたなき 友情 の二文字がくっきりと輝いているから。です。
確かに、特に阿部君の三橋に対する言動は、ちょっといじればまんま恋愛ものに転換できるわけですが、しかしこれは間違いなく、現実でもあり得るであろう、友情、仲間意識、時に競争心、などの発露であるわけです。そして、女性向け作品を描いてきた作家さんな為もあるのでしょうか、それが私のような女性にも分かりやすいレベルにまで、もの凄く細やかに、そして的確に、モノローグや台詞、仕草となって表現されてます。間違いようが無いのです。これは誰が見ても友情!です。 だから、です。


上の「萌えない」話に絡むんですが、おお振りを読んでいたら、一般的な「萌える理由」を考えてしまいました。これだと筋が通る気がするんですが、どうでしょう。筋通ったからどうだ、って話ではありますが。だって私もよその人のこのへん、知りたいんだもん。

私たち女性にとって、男同士の友情って、ほんとに分かんない(ですよね?)。その関係性や重要性の位置付けが、ほんっと分かんない(ですよねっ??)。もう、あれはね、別次元の出来事なんすよ。我々には手が届かない。一生、本当の所を理解できることはありません。*4そうすると、例えばWJなんかの男の子向けに(ある意味単純に)描かれた友情物語をそのまま理解するのはちょっと難しい。だって実体験がないんだもの。一方で手の届かないものに対するある種の憧れは募る。仲間外れにされた時みたいに。*5 これをすんなりと理解するために、自分の得意分野=恋愛、に置き換えると、あら不思議。なんかしっくりきちゃう。あの難解な「男同士の友情」にきらきらと不思議な輝きがミエル・・・。
 ・・・。ど、。どうでしょう・・・? うっかりここを読んでしまったアナタのご意見(もちろん反論でも)、お待ちしていますヨ。 *6


  ああー。また随分書いちゃったなあ。萌え過ぎ。だから今まで書けなかったんですが。
   あと、少々酔っぱらって書いたので後で修正するかもです だって明らかに矛盾してるとこある気がするもん。

*1:書きながらまた読むので進まない〜

*2:選手達、特に阿部のそういう所は、別物ですよ。こっちは「うふ」。よしよし、頑張れ〜。ってね!

*3:というか、ワンピ以外今の所ノーヒットな所から見て、ワンピの方に異常な何かがあると考えるべきなのか・・・?

*4:「そんなことない」って女性は・・・凄い。尊敬します。「付き合いと私と」とか「仕事と私と」とかは格好悪いと思うので絶対言いませんが、その気持ちは私は分かるのですよ。

*5:女性/女子向け漫画がどれだけ心情説明に手間暇掛けているか、また、女同士の友情を描いたものがどのくらいあるか考えてみて下さい

*6:ちなみに、セーラームーンが男性にも爆発的に受けたのは、あの作品が男性に理解しやすいその辺の「共に戦う中で培われる友情」をも描いていたからではないか、なんて蛇足を書き足してみたり。そう、例え 友達もまともに作れないオタク男性(あぁ、我が身に痛い言葉を。)にも、不思議なことにその手の「オトコDNA」は生まれながらにあるんですヨ!